地方移住20年の私が考える~地方移住で後悔しないコツ

田舎暮らし

こんにちは。コグレです。

 

私は神奈川から地方都市に移住して20数年になりますが、今でも「こちらに移住してきてよかったなぁ」としみじみ思っています。

 

ただ、地方に移住したすべての人が、満足しているかというと、そんなことはありません。

その人の価値観によっては「地方移住は失敗だったかも」と後悔している方もいることでしょう。

 

そこで、私が考える「地方に移住して後悔しないコツ」は、

地方移住のデメリットを把握すること

だと思っています。

 

デメリットを理解した上で、それを回避する方法はないか、もしくは、デメリットを許容できるか、をじっくり考えてから移住した方が後悔が少ないことでしょう。

 

また、

メリット > デメリット

であれば、トータルで考えると、地方移住は正解、といえるかもしれません。

 

それでは次に、実際に私が感じた「地方都市暮らしのメリット・デメリット」を具体的にお話ししていきましょう。

 

地方都市で暮らすメリットとは

 

まずは、私が感じた地方都市暮らしのいいところを挙げていきます。

 

住宅コストが安い

地方に移住してきてビックリしたのは、不動産の価格が安いことでした。賃貸住宅の家賃も同じです。東京周辺の相場から見ると格安の金額で、広めの土地付戸建住宅を購入することができます。賃貸の場合も安い家賃で街中に住むことができて通勤がラクです。また、部屋が広めで収納もしっかりありますし、南向きの物件が多くて敷地もゆったりしています。

 

子育てしやすい

住宅コストが安いことから職住接近できるため、子育てしやすいと実感しています。

職住接近できると子供の保育園送迎もラクチンですし、小学校が職場から近いので授業参観も時間休で対応可能です。子供の忘れ物をお昼休みに学校に届けたこともありました。子供が鍵を忘れて学校へ行ってしまったとき、子供が職場に鍵を取りに来たことも…。職住接近は何かと便利で安心です。

 

保育園に入りやすい

東京周辺では保育園入園が非常に困難だと聞いていますが、私が住んでいる地方都市は入園しやすい方だと思います。もちろん全員が希望の園に入れるわけではないのですが、フルタイムであれば、0歳児の入園は第2・第3希望あたりに入園できる、といった感じです。

 

人が多すぎないので通勤がラク

東京などに比べると、通勤時の駅構内の混雑もさほどではありません。電車もギューギューではないので人間的な通勤ができます。東京で通勤していた頃は満員電車にロボットになった気分で詰めこまれていました…。かといって、地方の大きめの都市はほどほどの人がいるので、夜遅めの時間に帰宅する際も怖くありません。

 

海や山が近く二拠点生活が容易に実現できる

地方は街がコンパクトで海や山が近いため、田舎暮らしと会社勤めの両立が可能です。職場が街中でも、山間部に住居を構えて車で通勤することもできます。

また、街中にコンパクトな賃貸住宅を借りて平日は街中で暮らし、週末だけ田舎の家に移動して二拠点生活を楽しむという方法も可能。地方は住宅コストが安いので、お金持ちでなくても二拠点生活が実現できるのです。また、セカンドハウスへの移動が1時間位と短く設定できるので体もラクです。

 

街中の情報量が多すぎないので疲れない

東京に行っていつも思うのは「街中の情報量が多すぎて疲れるなぁ」ということです。
たとえば、山手線に乗っているだけで、さまざまな広告やビルの看板などの情報が窓からわぁーっと眼の中に入ってきます。また電車内でも絶えずテレビ画面で広告が流れていますし、電車のドアの上にある乗換路線図をチラリと見ても、乗換路線がたくさんあって「情報が多過ぎ!」と感じます。
できるだけ注視しないようにしているのですが、知らず知らずのうちに眼に入ってきて脳が必要不要の判断をしているのか、とても疲れてしまうのです。そして、地方都市に帰ってきて、情報の程よい少なさにホッとして「私はこれくらいがいいな」と思うのでした。

 

地方都市で暮らすデメリットとは

 

それでは私が感じた「地方都市のマイナス面」についても挙げていきましょう。

 

文化が少ない

東京など大都市に比べると地方都市には、博物館、美術展、演劇、ミュージカル、ライブなどの芸術や文化に触れる機会が少ないと感じます。東京であれば週末ごとに美術館巡りもできますが、地方都市ではそうはいきません。これらが趣味の方にとっては地方暮らしは物足りないものになるかと思われます。

ただ、新幹線のお得チケットを利用して東京の美術館に通っている知人もいます。また、習い事のため毎月、東京の教室に通っている方もいますし、ライブで全国を飛び回っている人も。

ちなみに私も年に数回、小学生の娘を連れて東京へ遊びに行き、科学系の博物館めぐりをしていました。上野は特別展に合わせて何度も通いました。娘のリクエストで福井の恐竜博物館に行ったことも。

地方は住宅コストが安いので、その分を交通費にして大都市に遊びに行くのもありかなと私は思っています。

教育環境が大都市ほど整っていない

大都市に多くある、特色ある私立中高一貫校は地方都市には少ないのが現状です。地方都市は公立中から県立高校に進むというルートが一般的です。ですので、子供の教育環境にこだわりがある人は、地方よりも大都市の方が選択肢が多いと思われます。

我が家としては、地方都市に住んでいたことで中学受験地獄に陥らずに済んだのはラッキーだったと考えています。娘達が小学生の頃は毎晩、家族4人でわいわいと晩ご飯の食卓を囲んで楽しかったことを思い出します。当時は19時30分に放送していたNHKの「クローズアップ現代」を娘達と毎晩見ており、社会の問題について家族であれこれ意見をかわしたのもいい思い出です。

 

仕事が限定される

地方都市は大企業の支店や営業所が多く、メーカーの研究所などは少ないなど職種が限定されることがあります。研究職など専門職を希望するのであれば、やはり大都市の方が選択肢が多いと思われます。また地方の大きめの都市よりも田舎に行くとさらに仕事が少なくなり職種も限定されます。

また、大都市よりも地方は給与水準が低いため収入が少なくなることも多いと思います。

 

人間関係がめんどくさい地域もあり

田舎の地域に多いのですが、町内の人間関係が濃厚な地域もあるようです。

夏祭りや運動会、公園清掃と毎月のように町内会行事に参加しなくてはいけなかったり、休日は消防団の仕事で忙しかったり、近所の人の目がわずらわしいということも。

ただ、私が住んでいる地区は転勤族が多く住んでいて人間関係は濃厚ではありません。あっさりとした町内会のため行事は参加必須ではないし、町内会に参加していない人も多くいます。

つまり、地方都市がすべて、人間関係が濃厚で住みにくいわけではない、ということです。住む地域をしっかり選ぶことが重要だと思います。

私たちの場合は偶然、あっさり地域に引越してきただけなのですが、たいへん暮らしやすく気に入っています。

子供の友達を選べない場合がある

子供が少ない地域に移住すると同年代の子が少なくて、気の合う友人が見つからない、ということがありえます。同年代の子がいても赤ちゃんの頃からの友達同士で仲間に入れない、といった場合もあるそうです。

ですので、そこそこ子供がいる地域の方が友達ができやすいと思います。女子の場合は特に、小学校高学年ともなると、性格が合う・合わないといった問題が出てきます。

子供にとって、自分と合う友達を選べるということは地味に重要です。

 

田舎への移住を失敗したくない方へ

 

さて、最後に地方移住を後悔しないための注意点ですが、

私が考えるポイントは二つ。

移住先の地域をしっかり選ぼう
移住のデメリットを許容できるか、移住前によく考える

ということです。

住む地域によっていくつかのデメリットは回避できるので、しっかりと場所を選定しましょう。

 

また、「文化が少ない」等の変えられないデメリットについては、

それでもよし!と許容できれば 移住はGO!

許容できなければ 移住はNG!

ということですね。

このあたりは価値観の違いによって、地方暮らしが合う・合わないがはっきり分かれるところです。

 

また、地方移住について、家族全員の同意があるのかどうかも重要です。

 

私の友人が話していたことですが~

彼女は子供の頃、都内の便利な地域に父母と住んでいて、小学校高学年で隣県の郊外に引越しました。

ご両親は一軒家を建てたことに満足していたようですが、友人は子供心に「そのまま都会で住み続けたかったなぁ」と思っていたそうです。

 

ご両親としては、広い家でのびのびと子育てしたかった、のかもしれません。

そんな両親を見て、友人は「本当は都内に住んでいたかったこと」をずっと親に話すことはできなかった、そうです。

 

そして。

その友人は大人になった現在、都内の便利な地域で暮らしています。大人が思っていることと、子供が感じていることは違うかもしれない、ということですね。

ぜひ家族でよく話しあって、後悔のない地方移住をしていただきたいと思います。

 

コグレ

 

〔お勧め書籍〕

田舎暮らしや地方移住を考えているのであれば、この本は一読しておくと良いと思います。

山梨県に移住して20年の著者がログハウスの暮らしについて書いたものですが、田舎暮らしの真実が書いてあります。著者はいろいろな苦労をしていらっしゃるようですが、私は二拠点生活だったこともあり、そのような苦労とは無縁でした。狩猟ハンターとの対決のお話はドキドキするもので、私だったら尻尾を巻いて都会に戻ってしまったかもしれない、と思えた内容でした。

小さくて薄めの本なのですが、内容が充実していておもしろく、読むのに時間がかかります。オットに本を勧めることはほとんどないのですが、この本は「おもしろいよ」とオットにも貸したのでした。

小説家の人が書いている本だけあって、文章が読みやすく理論的でわかりやすい。田舎暮らしを始めた素人が書いた本とはまったく異なります。

お勧めです。

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